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「まず、1円を稼ぐ」——古本販売から始まり、AI時代のSEOを切り拓くアマノート代表の起点と機転

株式会社アマノート

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田中 寛大代表取締役

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プロフィール

田中寛大(たなか ひろき)
株式会社アマノート 代表取締役。前職は公的機関に勤務し、業務の一環としてメールマガジンやIT系雑誌の編集を担当。独立後、古本の販売からキャリアをスタート。そこで磨いた数字への感覚と、前職で培った文章力を武器に、SEO支援事業へと転換。現在はSEOを軸に、LLMO(生成AI最適化)支援、LP制作、SNS運用代行などを手がけている。

AIに「引用・推奨される」ことを支援する会社

株式会社アマノートが主軸としているのは、SEOの支援だ。現在はそのSEOを中心に据えつつ、少しずつ支援の幅を広げている。

「直近だと、LLMOの支援も実施しています。SEOとLLMOの支援を、いま注力して行っています」

検索エンジンだけでなく、生成AIがどう情報を拾い、どう推奨するか。その領域にいち早く踏み込んでいるのがアマノートの特徴だ。加えて、LP制作やSNS投稿の運用代行なども請け負い、企業の情報発信を幅広く支えている。

一見すると最先端のデジタル支援会社だが、その原点は驚くほど地道な現場にあった。

起点——「これ、売れるんじゃないか」から始まった

田中さんはもともと、公的機関に勤める職員だった。当初は、そこで一生働くつもりだったという。転機の芽は、いくつかの偶然が重なって生まれた。ひとつは、前職で、業務の一環としてメールマガジンやIT系雑誌の編集を担当していたこと。もうひとつは、身近な存在の影響だった。

「祖父や友人が、同じように会社をやっていたんです。それに感化されて、自分でもやってみようと思ったのがきっかけになっています」

世の中の流れを感じ、自分自身で何かをしたいという思いが募っていく。そんなとき、ちょうどフリマサービスが流行していた。田中さんも、いらないものを販売するうちに、あることに気づく。

「これ、逆に仕入れて売ったら、できるんじゃないか、と考えて。最初は古本の販売から始めました」

親しい友人が自分の力で事業をやっている姿を間近で見て、「自分でもできそうかな」と思えたことも、大きな後押しになった。こうして田中さんは2020年、前職を離れ、古本の販売という小さな一歩から、経営者としての道を歩み始めた。

数字と向き合った、苦しい1年目

起業してから、とりわけ最初の1年は苦労の連続だった。

「売上がちゃんと立ち上がっていくのか、というところ。あとは本を仕入れていたので、どれだけ仕入れて、利益率がどれくらいになるか。その調整が、最初はかなり難しかったです」

売上がどう伸びていくのかを分析する術も、まだ持っていなかった。手探りのなかで、田中さんが頼ったのは「量」だった。利益率は20〜30%ほどで推移するなか、とにかく数をこなして売上を積み上げていく。在庫として何千冊もの本を抱えながら、仕入れと販売を回していく日々だった。

この古本販売の経験こそが、後の田中さんを形づくる土台になる。仕入れて、売る。報酬を支払う。その一連の流れを現場で繰り返すなかで、数字への感覚が磨かれていった。

「特にスクールなどで学んだわけではなくて。友人から教えてもらったりしたのは、かなり大きかったです」

独学と現場、そして人とのつながり。田中さんは、体感しながら経営の基礎を身につけていった。

機転——「量」の限界が、事業転換を呼んだ

順調に見えた古本販売だが、田中さんはある思いを抱えていた。仕入れは古書店に足を運ぶことも多く、量をこなすほど体力的な負担も大きくなる。加えて、電子書籍やオーディオブックの広がりで、読書のスタイルそのものも変わりつつある。将来を見据えると、このやり方を長く続けるのは難しいのではないか——。

「体力的な面もありましたし、電子書籍やオーディオブックなど読書環境も多様化していて。将来的に考えて、長く続けるのは難しいなと思って、当時やっていたライティングのほうに注力するようにしました」

ここで生きたのが、二つの蓄積だった。ひとつは、古本販売のノウハウをブログで発信していた経験。もうひとつは、前職での雑誌やメールマガジンの編集経験だ。「文章」という一本の線が、過去と未来をつないだ。

「まずは、SEOライティングから始めました」

答えのない世界と言われるライティングの領域へ。セオリーはありつつも、書き手それぞれの個性や癖が出る、繊細な仕事だ。田中さんは、古本販売で1年余りを走り切った末に、その領域へと軸足を移していった。結果として、古本販売は1年ちょっとで手じまいすることになったが、その期間が無駄になることはなかった。

起業して変わった、たったひとつのこと

起業の前と後で、自分の中で何が一番変わったか。そう問われたとき、田中さんの答えは意外なほど落ち着いていた。

「根本的なところは、あまり変わっていなくて。ただ、数字に対する意識は変わったと考えています」

前職の公的機関では、営業もなく、KPIのような数値目標を追いかける文化もなかった。それが独立後は一変する。売上目標、受注単価、SEOでの検索順位——あらゆる場面で、具体的な数字がついて回るようになった。

「そういう数値を意識し始めた、というのは変わったかな、と思います」

そしてその数字の感覚を鍛えたのが、ほかならぬ古本販売だった。利益率を重視し、仕入れと販売の仕組みを回し続けた日々が、経営者としての礎になっている。過去のどの経験も、今の田中さんに地続きでつながっている。

健康は、経営の土台

事業の話が続くなか、プライベートの目標を尋ねると、田中さんはこう即答した。

「健康が一番です」

なかでも重視しているのが睡眠だという。枕を変えたり、リカバリーウェアを試したり。試行錯誤の末にたどり着いたのは、体が沈み込むタイプの有名な枕だった。

「それが自分に合って。とにかく、寝れる時に多く寝るという感じです」

起業したての頃は、不安でなかなか寝つけない夜もあった。だからこそ、意識して睡眠時間をコントロールする。多くの経営者が同じ悩みを抱えるなか、田中さんは自分なりの答えを見つけていた。派手さはないが、こうした自己管理の積み重ねが、挑戦を続けるための土台になっている。

これからのアマノート——「独自の選ばれ方」を目指して

田中さんが見据える先には、明確なテーマがある。AIに推奨され、引用される存在になること。SEO支援からLLMO支援へと注力の軸を移しながら、その実現を目指している。

だが、その道は平坦ではない。

「SEO会社、LLMO会社のおすすめと言われても、本当に有名なところしか出てこない。そこに入るのは、どう考えても難しいと考えています」

だからこそ、田中さんは差別化に活路を見出そうとしている。ブランディングにも力を入れながら、独自の切り口で推奨される存在になっていきたい——。AIが作るコンテンツは、独自の情報や一次情報、クライアント視点が抜け落ちがちだ。そこを補う「編集者」の力こそが、アマノートの武器になると考えている。

「クライアントからヒアリングして、その内容をコンテンツに落とし込んでいく。そういう編集者を、いまお願いしたいと思っています」

新しいツールも次々と登場するなか、何ができるかを模索し続ける。知見のある協力者とともに、まだ地図のないAI時代のSEOを切り拓こうとしている。その挑戦は、まさに始まったばかりだ。

挑戦する人へのメッセージ

最後に、これから起業する人、そして今まさに悩んでいる人へのメッセージを聞いた。田中さんの言葉は、彼自身の歩みそのものだった。

「とりあえず、0を1にする。たとえば1円でも稼ぐ、というところが重要かなと思っています」

「まずはやってみる、というところが重要だと考えています。やっぱり、立ち止まって動かない人はたくさんいると思うので」

華やかな成功譚ではなく、一歩ずつ積み上げてきた人の言葉だからこそ、その一歩の重みが伝わってくる。まず動く。その先に、道は続いている。

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